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自治体の補助金を使って「木造耐震診断」をやってみた~体験記

jishin_tsuyoi

東日本大震災に阪神淡路大震災。日本はとにかく地震災害の多い国です。そして昨今、おそらくかなりの確率で来るであろうといわれている「南海トラフ大地震」に向け、世の中には防災産業があふれかえっていますね。

そんな中、最近では地震対策にと、市区町村レベルの自治体が非常に多くの額を補助金として出してくれる木造耐震診断がひそかなブームになっています。しかしながらその情報はあまり表に出てこない...。それもそのはずです、自治体としてはすべての市民に補助金を利用してもらいたくないからなんです。敢えて情報を小出しに、それも自治体ウェブサイトの隅っこに書く程度にすることで「情報の非対称性」を生み出そうとしているのですね(※ 情報の非対称性とは、ある情報を持っているものと持っていないものとの間で生じる情報格差。その情報格差が、まわりまわって経済格差につながる可能性のある学説です)。

自治体の木造住宅向け耐震診断について、ネットでレポを書いている人も非常に少ないので、今回はこの木造耐震診断について、我が家の体験談をお話していきたいと思います。

木造耐震診断の基準は?

木造耐震診断を受ける際には、確実に必要な条件があります。それは、診断を受ける対象の住宅が、

「昭和56年以前に建てられた木造住宅」

であることです。昭和56年6月1日以前は、旧耐震基準、同年6月1日以後は新耐震基準になりました。

このことからも、「旧耐震基準の住宅は、一度耐震診断を受けなければやばい!」という号令が、政府を中心に出されているのが現状なんです。新耐震基準ではまた、「震度6強で崩れない程度の家を作ること」という趣旨の内容を明記しており、これも満たす必要がある。

昭和56年といえば1981年。考えてみれば阪神大震災は1995年、東日本大震災は2001年となっており、これらの自身を生き抜いた昭和56年以前の住宅というのはある意味頑強です。でも、ところどころに軋(きし)みが出てきているかもしれない。ですので、ぜひとも耐震診断を行ったほうがいいんです。後述しますが、何せ自治体からの補助比率は非常に高く、使わない手はありません。

耐震診断の相場と、一般的な自治体補助金による補助比率について

木造耐震診断は一般的に、1軒あたり5万円が相場です。またその際の補助率は、9割程度とみて問題ないでしょう。

ということは、実質負担額は50000円ー45000円=5000円で済むんです!なんと素晴らしい補助金でしょうか。タダみたいな値段です(※ただし50000円には消費税8%がかかり、その消費税分を足しますので、4000円+5000円=9000円が正しいお支払金額です。それにしてもあまりにも安すぎると思いませんか?)

ただし、補助金による補助比率は自治体によってまちまちなところがあります。例えば、多くの自治体が9割補助のところが、5割程度であったりなど。

一般的に「南海トラフ大地震の被害がおおきくなりそうな場所」ほど補助金が出ています。和歌山沖あたりが震源地になる可能性が高く、必然的に関西の太平洋側に近いエリアでは非常に多くの補助金が自治体によって出されています。和歌山県のみならず、例えば大阪南部の市町村レベルの自治体では驚くほど多額な補助金が用意されています。

補助金検索は以下のサイトがおすすめです。自分のお住まいの地域をクリックして、検索条件で「耐震化」にチェックを入れ検索すると、あれよあれよと出てきます。ちなみに今回は耐震診断のレポの話ですが、省エネやバリアフリーでも補助金が出ることもあるそうです!合わせてチェックしておきたいですね。

木造耐震補助金検索サイト:http://www.j-reform.com/reform-support/

木造耐震診断はこうして行われる!申し込みの仕方から業者の選び方まで

まずは役所で申し込み

自分が住んでいる市区町村に木造耐震診断の補助金があると分かれば、次は申し込みに行くのみです!

まずは市役所(もしくは役場)の担当部署に電話してみましょう。わからない場合は総合受付で「建築審査関連の部署につないで~」といえばスムーズにいくと思います。そこで正式に決められた申し込み用紙などをもらい、記入して申請する形です。

木造耐震診断の補助金は、議会の承認による単年度予算で構築されます。つまりかみ砕いていうと、議会がOKのGoサインを出せば、その瞬間から補助金の市民間での取り合い合戦が始まります。

一般的にこの補助金は「申し込んだ人順に採択」という流れを取ります。まぁいわば「早いもの勝ち」といったところでしょう。ですからポイントは、「議会が何月にこの補助金法案を承認し、いつから補助金の募集がはじまるのか?」を知ることです。

例えばその補助金予算が年間1億円としましょう。木造耐震診断補助金は、後述する「耐震診断」の次のステップである「耐震設計」と「耐震工事」の補助金も含まれます。すべて含んで1億円です。特に「耐震工事」が莫大な額になります。ですので、すぐにスッカラカンになると見ていいでしょう。

とにかく一にも二にも情報戦です。5万円の耐震診断であれ油断は禁物。自治体の担当部署から逐一情報をもらうようにしましょう。

業者は無理に自分で選ばず、役所からの紹介がベター

世の中で最も多い産業が建設業とされています。その数は製造業をゆうに超え、世の中には小さな工務店が星の数ほど群れさんざめいているのです。

海のものとも山のものともわからない工務店に依頼するのは、心理的にもなかなか怖いものです。

特に、いくらリフォームに特化した優れた業者であれ「耐震診断や耐震工事の経験や実績は豊富なのか?」は極めて重要なチェックポイントです。

いわゆる名うての大手に頼むのも良いですが、やはり実績で人を評価してしまう市役所が紹介してきた業者のほうが安心できます。

耐震診断を実際に経験して感じたのですが、基本的には一級建築士で、構造設計などに長けた人でないと耐震診断は難しいです。ですから「一級建築士事務所」など、知的作業のみを行う業者を市役所は紹介してくる場合が結構あります。あとは木造住宅ということで、日本史2000年の木造建築を支えてきた地元の宮大工さんなども、かなり木造耐震関連には深い知識を持っています。

なんにせよ、その業者が耐震診断の素人かどうかが判断できない場合は、役所の紹介を素直に受け入れることをおススメします。

実際の耐震診断のやり方

結論からいうと、意外にも検査の仕方はしょぼいかもです...。屋根裏に入って写真を撮り、また畳の下即ち1階の地面構造部分にもぐって写真を撮るということを行いますが、基本的には外観を目視であれこれ眺めて分析します。

私が頼んだ業者さんは一級建築事務所さんで、とにかく自宅の図面を業者さんが手書きでもう一度書き直し、長さなどを大量に記入してどこの壁がまずいかなどを分析していました。

最終的に渡されるのは、耐震診断レポートです。ここで結果が示され、今後の進むべき道すじが解説されます。

やはり良いことはあまり書かれていません(笑)。耐震診断をして、ここらへんがまずかったよ、だから次は耐震設計をして工事をしましょう、という話にもっていくので、かならずしも恐怖をあおるわけではありませんが、それなりに耳の痛~いことを言われるのだけは覚悟しておきましょう。

ちなみに我が家は、壁がはがれてきている、屋根瓦(やねがわら)が重たすぎるなどを指摘されました。実際には、屋根をほんものの瓦から超軽量素材に変えるだけでも、耐震になります。例えば大きな地震が生じた場合、重力で家は地面に引っ張られますが、その時屋根が糞思い場合か超軽い場合かで、どちらのほうが家が倒壊しにくそうでしょうか?無論、屋根が軽い方になりますね。

このように、耐震診断は目視でおおざっぱに眺めながら地震危ない度を測るものですので、そこまで厳密な診断ではないことをご理解ください。時間もだいたい1~2時間で終わります。

耐震診断後は何をするの?

まず3つのフローから成り立っています。すなわち、

①木造耐震診断 → ②木造耐震設計 →③木造耐震工事

です。現在、①が終わったと仮定すると次は②です。木造耐震設計とは、「耐震診断を受けて、どのように工事すれば耐震化が図れるか」を設計する作業です。耐震設計の相場はかなりまちまちですが、耐震診断の2倍~3倍程度の値段と考えればよいでしょう。もちろんこれも補助対象です。

その後、③木造耐震工事に移ります。この③が最大の山場であり、頂上決戦です。①、②の補助金を無事に確保しても、③の難関が待っている。というのは、自治体によっては木造耐震工事に300万円程度まで補助するところもあるからです!そうなれば熾烈な市民間での競争になります。もちろん、早い者勝ちですので申し込み資料作成スピードなどが命の分かれ道となるでしょう。

木造耐震工事の相場だけは、完全にその自宅の耐震必要レベル次第です。例えば屋根瓦を軽量化させるだけならばその程度ですし、そもそもの構造の骨子、柱を補強する、変えるとなると、「新築そっくりさん」ではありませんがそれに近い工事になるかもしれません。とにかく、耐震工事の補助金をめぐっては、激しい戦いのゴングが鳴り響くのです。

まとめ

以上、なかなか固い内容でしたが、やはり貰えるものは貰うべき!と筆者は思っておりますので、ぜひ耐震診断だけでもご利用ください。ちなみに筆者の家は、耐震診断どまりです。というのは、その後の耐震設計、耐震工事の予算が無くなっていたことと、まぁ大したことないからかまわないかな~という甘えがあります。

いずれ耐震工事までする必要があることは分かりました。とりあえず、相場5万円の耐震診断からやってみて、9割補助をもらう形からのスタートで良いのではないでしょうか。

大災害は突然やってきます。備えあれば憂いなし。耐震診断で、一度自宅を見つめなおしてみてはいかがでしょうか?

 

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