ちゃりちゃり!

ちゃりちゃり!世の中に漂うモヤモヤした悩みの種を、一刀両断徹底解説!総合ニュースサイト

社会全般

桂銀淑の実刑確定でますます盛り上がる、二度と聞けない歌声への憧れ

2016/08/12

mike

日本で80年代、90年代を通してブレイクした韓国人演歌歌手の桂銀淑(ケン・ウンスク)さんに実刑判決が出ました。

桂銀淑被告の実刑確定=覚せい剤使用と詐欺罪―韓国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160810-00000227-jij-kr

今となれば韓流スターというのは日本人にとっては当たり前の光景で、歌手はおろか平日の昼間でも韓国メロドラマが地上波テレビで放送されるほど、韓国の芸能文化は非常に身近なものになりました。が、やはりその韓流の元祖ともいえるのが桂銀淑さんだといえます。

日本で韓流ブームの原点をひとりで築き上げた凄腕女史・歌手

もともと日本では、韓国人がテレビに実名で出ることなどもってのほかでした。実際には芸能界には在日系の方が多くいらっしゃったものですが、「韓国人として」堂々と、白昼公然と活躍するには、それはそれは非常に勇気のいる時代でした。時代を遡ること約30年程前でしょうか。

彼女の代表曲は、今でもカラオケでNo.1の人気を誇る「すずめの涙」です。非常に悲しい歌詞の歌であり、まさに今の彼女の心境・境遇そのものともいえる切なさを醸し出しています。

【すずめの涙】

 

「舟唄」や「そして神戸」など、歌謡曲の王道中の王道ともいえるメロディーラインを手がけてきた作曲家の浜圭介氏が、当時韓国で韓国風演歌(=トロット)歌手をしていた桂銀淑さんをリクルートしたのがきっかけです。デビュー曲は「大阪暮色」で、これが1985年のこと。あれから30余年の歳月が流れましたが、今でも桂銀淑さんへの人気は衰えることはありません。なぜなんでしょうか?

桂銀淑の世界観は、どんな歌手にも真似することができない新境地だった

桂銀淑さんの歌声はハスキーボイスです。そして、当時は年齢的には20代であるにも関わらず40代くらいの大人の色気を十二分に出していたことなど、彼女にしか出来ない、出せないオーラというのが確かにありました。

今でもCDアルバムは売れ続けており、何よりもカラオケで人気が衰えないのがすごいところです。ハスキーボイスの男性歌手といえば森進一さん、女性でいえば故人ですが青江三奈さんなどがいらっしゃいますが、やはり桂銀淑さんの独特の節回し、歌い方、ビブラート技法というのは誰にも真似できない逸品だったのです。

本来であれば、覚せい剤などのドラッグに手を出した時点で社会的に抹殺されるのが世の中の掟です。ところが彼女だけは別であり、普段であればドラッグ中毒者に手厳しい日本人であっても「可哀想だな〜。復活してほしいなぁ」と涙ぐましく語る人が多い。特に中年以上の男性、女性にその傾向が強く見られます。

youtubeなどのコメント欄には、以下のような応援メッセージが数多く見受けられます。

別にね、誰かを殺したわけじゃなし、彼女の歌で癒されたり、勇気付けられたりした人は いっぱいいるので、またぜひ、歌って欲しいですね。カムバックすることを、ずっと期待して 待ってます!(引用元:)

 

アメリカではロック系の方は薬物の経験者も多いのに、なんで彼女だけに厳しいのでしょうか。 本当にふたたび聞きたい歌声です。(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=hqnSZ7NuUSY)

 

これほどの才能ある歌手が刑務所くらし、、、人生の無常を感じる(引用元:https://www.youtube.com/watch?v=tPwPnx9lOIA

 

驚くべきことに、逮捕され実刑が確定する最近まで、韓国では非公式に桂銀淑さんのコンサートが実施されていました。ウェブ上でも時々情報が流れていますが、韓国のソウル市内の大きめのホールでのコンサートチケットを売りだせば即完売。お客さんはもちろん日本人です。日本から韓国にまで渡航してでも、桂銀淑さんの声を聞きたいという日本人の多さには驚愕させられます。

それだけ、「魔法のような神秘性」を秘めた歌声をお持ちなのかもしれません。何よりも、日本歌謡史において「韓流ブーム」を作り上げたことは、韓国の芸能事業者にとってはまさに尊敬・崇拝に値する偉業であったものと考えられます。

【愛の迷路】

手に入らないものほど魅力的なものはない

おそらく桂銀淑さんが違法な薬に手を出さなければ、今でも紅白歌合戦の常連だったでしょうし、トリを飾れるレベルであったはずです。それでも、彼女は踏んではいけない轍(わだち)を踏んでしまいました。

彼女が芸能界から姿を消した理由は、覚せい剤のみではありません。やはり金銭トラブルが常に付きまとう人であり、今回の実刑確定の件も、結局は金の問題に起因したものでした。あまりにも売れすぎていた、熱狂的ファンに支えられていたゆえの甘えなのでしょうか、彼女はますます酒漬け、薬漬けになりました。

このように、復帰できなくなるにつれて桂銀淑さんは「手に入らないもの」になりました。彼女は日本で薬物の罪で逮捕されて国外追放処分になってからは韓国を拠点に日本のお客様に向けてコンサートなどを行ってきましたが、今回の実刑判決を受けて日本への再入国は確実に不可能になったと見ていいでしょう。

それでもますます「手に入らないもの」への恍惚(こうこつ)の念、思いは増すばかり....。

思えば、同じように薬物に手を出し続けている田代まさしさんや清水健太郎さんに対しては、そこまで復帰してくれ〜の声は強くありませんが、桂銀淑さんだけは別格です。それだけ、日本の歌謡曲に革命を起こすほどの「歌唱法」「雰囲気」「新境地」だったのでしょう。

やはり冒頭に掲載した「すずめの涙」をもう一度聞いてみると、「あぁ、やはりこの歌手は日本に必要だな〜」としみじみ感じさせられるものです。

2016年現在でも、彼女のような歌手は未だ日本に現れていません。そのオーラはもとより、やはり歌い方・歌唱法で同じくするような者が一切居ないのが現状です。牢屋に入れられることで、ファンからの熱い視線は増す一方という、大変奇妙な現象ではありますが、彼女の魅力の高さなしには成し得ない業といえるのではないでしょうか。

【都会の天使たち:桂銀淑全盛期の頃の平成4年、紅白歌合戦 with 堀内孝雄】

 

-社会全般