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爆買いを一切行わない、インテリ系中国人観光客の観光スタイルについて

2016/08/12

panda

訪日外国人の実態は、7割が中華圏から

2015年には外国人観光客数が2000万人を超えました。2年前の2013年には約1000万人であったことから、わずか2年間で2倍に膨れ上がった計算になります。まさに怒涛の勢いです。この流れは、明らかに「日本入国の際の観光ビザの緩和」が大きく影響していることから、よほど大きな大災害が日本で起こらないかぎりせき止めることは難しいでしょう。

そして2015年の訪日数2000万人のうち、25%の約500万人を占めるのが中国人です。さらにここに台湾人、香港人、韓国人といった中華圏の人々を加算すれば、全体の70%程度(1400万人)に至ります。ということは、極東の近隣東アジア諸国だけでほぼ完結しているインバウンドといえますね。

昨今ではイスラム教徒向けに、ハラル対策(宗教の教えに即した食べ物の提供や祈りの場所の確保など)が盛んに喧伝されていますが、やはりビッグマーケットを見る上では全体の7割を占める中華圏の人々を外すわけには行きません。

一方で国別一人あたりの消費額では、中国人が28万円強、香港人が17万円、台湾人が14万円、韓国人はわずか7万円!というデータが出ています(2015年度速報値)。

ということは自ずと、一回の旅行で28万円も消費する中国人に熱視線が送られるのは当然のことですよね。

ただし世間が思っているような、いわゆる中国人による「爆買い」というのは、実際には全ての中国人に見られるものではありません。即ち、中国にも「品のある知的中国人」と「ただの成金中国人」のふたパターンがあるんです。一般的に、怪しげな免税店に列をなして買物をしている中国人は、後者のただの成金系です。一方で、全国各地の地方へ観光を楽しみにいっている中国人は、前者の知的中国人になるんです。この知られざる知的中国人の旅行スタイルについて、今回は見ていきたいと思います。

凄まじいまでにマナーの良い知的中国人の存在

ご存知の通り中国の人口は13.5億人で世界一の数を誇ります。当然ながらこの人口のうちで海外旅行に行ける人は1割にも至りません。今でも新疆ウイグル自治区や内モンゴル、あるいは少数民族の多く住む南部貴州省などでは貧困が問題になっており、月収1万円程度の生活が普通に見られます。一方で富みに富んでいるのが沿岸部の金持ちたち。日本に旅行に来る金持ち中国人の多くはこの沿岸部の上海や広東省などの富裕層になります。

さて、メディアでその下劣な爆買いぶりやマナーの悪さが非難されている中国人ですが、実際にはマナーの良い知的中国人がいるのをご存知でしょうか?おそらく、この業界にかなり深く関わった人間でないと知る人も居ない話かもしれません。知的中国人は一体どこを旅して、どのような楽しみ方を行っているのか?順を追って解説していきたいと思います。

知的中国人は、脱物欲主義。心の安らぎを求める

ホンモノの知的中国人たちは、中国本土の多くの成金金持ちたちが、血相を変えて電化製品などを買い漁っているのを見て呆れ返っています。「こいつらは、本当にお金という鎖にがんじがらめにされた犬小屋の犬だ」という具合に。ある意味、昔の中国思想史に残る「老荘思想」に近いものがそこには見受けられます。即ち、「世の中は混乱に混乱を極め、もうおかしくなっている。とにかく自然に帰ろう。自然に生きよう。人間らしく、動物らしく」という考え方をモットーに、物欲から遠ざかるという思想です。

中国四千年の歴史は実に悠久であり、日本という国も中国文化が土台となって出来上がっているのは皆目ご存知の事実です。中国は昔から戦乱が多く、ほとんどの中国人は自分を守ることに精一杯でした。したがって、知的階層は育ちにくく、商売で一発あてるという考えが何千年も前から息づいていたのです。

その一方で知的階級も存在していました。彼らこそが中国思想を造り、歴史を編纂し、素晴らしい文学を世に残して来ました。漢詩人でいえば李白、杜甫といった天才文化人のような人が、中国には今でも一定数存在しています。

それも決して少ない数ではありません。北京大学や復旦大学といった超一流名門大学を卒業された中国人たちは、確かにビジネス上も成功するものの、多くは学識を多く持っています。また先進国の人々の暮らしも留学を通して存じ上げていることから、決して物質への欲望にまみれた情けない成金ぐらしをしようとは思わないのです。

むしろ、人間性(ヒューマニティ)にあふれた人間らしい暮らしを求めています。それは何も難しい概念ではなく、例えば日本人の都会のサラリーマンが、普段のパワハラ残業労働に耐えかねて3日間山の上でのんびり過ごす、といった類いのものです。

すなわち、知的中国人たちが日本の旅行に求めているのは、「リラックス」や「こころの安らぎ」そのものなのです。

本当の日本文化、日本人との出会いを求める

知的中国人は本当に頭が良く、見識が深い。特に物事の本質を理解するのに非常に長けています。

東京の銀座や大阪の心斎橋は一大ショッピングスポットです。こういったエリアに対して、知的外国人は興味も関心も示しません。そもそも高額のブランド品や薬などを大量に買うということを、「成金の成せる業」として心の中で卑下しているからです。

それに代わって彼らが求めているのは、日本の大自然や素朴な日本人との出会いです。中国人観光客をアテンドする旅行会社の多くは中国人によって経営されています。彼らは旅行会社が案内する中国人経営の免税店などからのバックマージンを主な収益の柱としており、基本的には爆買い・成金中国人相手の商売が多い。そんな中でも、知的中国人をターゲットにした旅行会社も存在します。

その旅行会社の社長に話を聞くと、知的中国人が最も好む旅先は「お遍路さん」だそうです。

非常に意外な答えではないでしょうか?考えてみれば中国も仏教の国です。今では共産主義の影響で寺院の多くが破壊され無宗教の中国人が圧倒的多数を占める時代ではありますが、やはり「こころの平安」を求めるという意味では、四国の仏教寺院八十八ヶ所巡礼に大きな関心を抱いているのでしょう。

実際にお遍路さんをしている中国人の姿は、それはそれは清々しい顔立ちです。いわゆるテレビの報道カメラが写している爆買い中国人からは程遠い、非常に紳士・淑女と言われる方ばかりです。彼らは、道行く四国の方に片言の日本語で声をかけたり、得意の英語を使って現地の学生さんなどとディスカッションを道中で行います。

とにかく、成金爆買い中国人とは価値観そのものが100%違います。知的中国人がいいます。「日本でも、やはり東京などは大消費地だから拝金主義的傾向が強いでしょう。だから私たちは田舎に行くんです。田舎に行けば、日本の原風景、本当の日本人たちがいる。中国も同じですよ。誰も行かない西部の辺境地にこそ、本当の人情や愛情があります」

まとめ

知的中国人は、普通の日本人以上に日本の歴史に詳しい方が多く見受けられます。日本の田舎を旅する前に、ある程度その地域の地理や歴史を勉強した上で旅を行います。また、各地でいろいろなメモを取る点も興味深い。一般的に外国人観光客は、浅草寺などの定番スポットにいけば何百枚とスマホで写真を撮る傾向にありますが、彼ら知的中国人は写真も数枚しか撮りません。

もしかしたら、彼らが求めているのは「真の人間的愛情」かもしれません。何かの宗教団体の言葉みたいで恐縮ですが、中国自体が超絶拝金主義をベースに成り立っており、もはや人情も見せかけの人だましの心に成り果てていると言われています。日本でも都市部はその傾向があります。日本の優しい高齢者などと触れ合って、本来人間が歩むべき道について、知的中国人たちは考えなおしているのかもしれません。

ちなみに彼ら知的中国人も、しっかり中国人平均消費額の28万円は使いきります。ただ買うものが違っていて、地域の民芸品や絵画などを買っていく傾向が強いです。また伝統的な旅館に泊まり温泉をマナー良く楽しむなど、「無形価値」の買物に力を入れているのがうかがえます。

このように、ホンモノ志向の中国人というのも日本へ旅しに来ているのが実情です。彼らこそ真の日本文化伝播者であり、日本のよさを自国でしらしめる「民間外交員」なのかもしれませんね。

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