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知られざるインドネシア華僑たちの暮らしぶりについて〜③華僑の日常生活スタイルや若者の動向

2016/09/09

mallofindonesia

インドネシアの華僑について、①概要・全体像②ビジネススタイル、の2稿でさまざまな角度からご紹介いたしました。

知られざるシリーズ最後は、華僑たちの日常とはいかなるものなのか?についてです。

インドネシア華僑800万人は、当然ながら現地人よりもお金は持っていますから、その消費欲も旺盛と見られがちですが、彼らは日々、その潤沢なお金を何に使って楽しんでいるのか?いろいろな疑問に答えていきたいと思います。

 

お金が入ればショッピングモールへ

インドネシアには、本当にたくさんのショッピングモールがあります。特に都市の中心部にあるモールはとても広く、日本では比べ物にならないほどのお店のバリュエーションになっています。

インドネシア人は9割がイスラム教徒であることから、お酒を飲みません。ゆえに仕事あがりにバーへ行くという文化がないのです。

その代わり、即ち本来であればお酒に消えてしまうであろうお小遣いを、おいしいディナーに費やす傾向があります。インドネシア人は、美味しいもの=ショッピングモールに集まる、という考え方をします。

実際に、日本の有名なレストランでインドネシア進出を果たしたお店は、ほぼ全てがショッピングモール内にあるのです。

さて、ショッピングモールにも序列があります。それは、大別すれば以下3つに振り分けることができます。

1.華僑客がほとんどの、超高級モール(プラザ・インドネシア、グランド・インドネシアなど)

2.華僑客・現地人富裕層が集まるモール(モール・タマン・アングレックなど)

3.現地人庶民のためのモール(ブロックMなど、郊外に集まる)

 

特に1.は非常に物価が高い。日本人駐在員御用達のプラザ・インドネシアなどは、ジャカルタNo.1の5つ星ホテルであるハイアット・リージェンシーに直結。服屋さんは、ほとんどがブランド系の店です。それでも顧客が絶えないというから驚きです。

レストランでは、豚骨ラーメンが800円程度、焼肉食べ放題が4000円程度と、日本のレストランとそう物価が変わりません。一方で庶民たちの月収は、3〜4万円程度。日本の10分の1と考えると、たかだか1杯のラーメンに8000円程度ものお金を払うなんて、狂気の沙汰ですね...。

これらの高級レストランで食事をしている人は、90%以上が華僑です。現地人はウェイター・ウェイトレス係を務めるだけ。

しかしこのような大盤振る舞いができるのは、一部のトップ層である華僑たちだけです。その「勝ち組華僑」たちは、ジャカルタ居住者であれば、ジャカルタの港である「タンジュンプリオク港」や、同国最大級の遊園地である「アンチョールドリームランド」といった、ジャカルタの都心北側に集中して居を構えています。

住宅街は、とてつもなく高い塀で囲まれており(日本の拘置所みたいに高いです...)、泥棒や暴徒対策に必死です。仕事や遊びの移動は、必ず専用運転手が担いますし、タクシーを乗らなければならない場合でも、ブルーバードタクシー以外には乗らないといいます(ブルーバードはインドネシアで最も安心できるタクシーで、値段は高いですが強盗率がほぼゼロに近い)。

とにかく、豪勢に、大家族で食事をすることに誇りを持つ華僑たちは、お金が入ればすぐにこういった高級モールで食事を行います。まさに、彼らの消費の舞台はモールなのです

海外旅行にも頻繁に行く

海外旅行は華僑たちの間では人気です。特に、やはり日本への旅行が最も人気。

2013年より、インドネシア人の日本渡航に関する観光ビザが、非常に簡素化しましたので、インドネシア人の訪日はますます増えていく一方です。

2015年で約20万人のインドネシア人が訪日。ただし同じ年、中国・台湾・香港など中華圏の人々が1400万人近く来たことを考えれば、2億4000万人の国にしてはまだまだ少ない。今後訪日者は爆発的に増加するといわれています。

特に興味深いのは、2015年の訪日インドネシア人のうち、その殆どが華僑であったこと。日本への旅行は、だいたい1人あたり1回30万円〜35万円ほど。このお金を払えるのは、とてつもないお金持ちだけになります。

インドネシアには中間層というのが居ません。低賃金層が月収3〜4万円とすると、高収入者層は月収30万円〜。この給与の「中間」に当たる人が少ない。月収30万円もあれば、1ヶ月お金を貯めるだけで日本にいけちゃいますが、やはりこれほどの額をひと月で手にできるのは、華僑経営者くらいなのが実情なのです。

若い華僑たちの動向

派手に、豪快にインドネシア華僑たちはお金を使って日常生活に花を飾っていますが、華僑3世、4世、5世といった「インドネシア華僑の若年層」たちはそうでもなくなりつつあります。

前回の記事でもお話しましたように、華僑は「製造業」や「IT」ビジネス面で極めて弱い立ち位置です。そもそも物流や卸売、小売を中心にビジネス展開をしてきたため、ITにはめっぽう弱いのです。

だから、例えば20代〜30代のインドネシアの若者が起業する際、やはり日本同様ITビジネスが選ばれるものですが、こういったITビジネスには現地人系勢力がどんどん進出しているのが現状。

さらに日系企業などが「製造業」として工業団地を作り、インドネシアを製造国家へ押し立てようとする中にあっても、華僑たちは少々「蚊帳の外」気味なのです。

若い華僑たちは、その前の老華僑と言われる「苦しい時代を知っている華僑」とは異なり、生まれた時からお金持ちのボンボンであったことから、ますますビジネスセンスは薄れていく一方だといいます。聞く話によると、日本人の「草食系少年」と同様の現象が、華僑の子弟間で起こっているとか。

考えてみれば、大阪・船場のボンボンたちが軒並み没落していったのと同様、金持ち一家というのはなかなか永続するのが難しいのかもしれません。

とにかく最近の若い華僑たちには元気がありません。まさに現代インドネシアは、現地人系の人々にビジネスの主役を取って代わられるターニングポイントにあるといえるでしょう。

 

まとめ

製造業、ITの隆盛で、徐々に弱くなりつつある華僑たち。

とはいえ、インドネシア経済を最も下支えしているのは「個人消費」です。

そもそもインドネシア人は、貯蓄することをあまりしません。「宵越しの是には持たない」タイプが本当に多いのです。だから、3万円給料が入ったらすぐに使いきってしまうのです!

ここが日本人との大きな違い。

このように、「ある銭」全てを使って遊びがちな文化の国ですから、まだまだレストランや娯楽施設などを営む華僑たちの繁栄は続くものと考えられます。

とにかく、華僑と仲良くしましょう。インドネシアは知れば知るほど奥が深い。ところが今まで真面目に注目されてこなかった華僑に対して強い関心の目を持つことが、インドネシア市場攻略の最大の肝となるはずです。

 

 

 

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