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築地移転の混乱劇で埋没してしまった「本当に考えなければならないこと」

 

 

東京・築地市場の移転問題が揺れに揺れています。

もともとは豊洲新市場へ移転することが決まっており、市場で仲卸を営む600を越える業者の方々は、既に準備段階に入っていました。

ところがここに来て、東京都の新都知事・小池百合子氏が移転を延期する決定を下したのです。

これには仲卸業者たちも心が折れてしまったはずです。

そもそもなぜ、仲卸業者たちは築地市場からの移転に反対するのでしょうか?その声をまとめてみました。

築地で働く人たちが、築地にこだわる理由

築地ブランドへのこだわり

築地市場は、民間業者が仲卸業者として商売を行う市場ですが、その実態は「公設市場」です。

正式名称は「東京都中央卸売市場築地市場」なのです。即ち、築地市場=都営市場を意味します。

したがって、街の商店街などとは趣を異にしているのです。

商店街は、街が成立するにしたがってある種の「自然発生的」な按配(あんばい)で生まれたもの。

しかし公設市場は違います。

市場を自治体(この場合は東京都)が運営することで、物流の効率化・公正化を図ることを目的としているのです。

市場の中で働く民間業者は、いわば「公共スペース」で商売をしているようなものです。したがって、民間の業者から商店街の1階空き店舗部分を借りて、遠慮しながら商売をするのとは全然違います。

市場の人たちは、都営であることをいいことに、東京都の所轄局にとことん自分たちの意見を言い続けます。

そして彼らにとっての築地ブランドは「不動のブランド」なのです。

なぜならば「築地」=新鮮、おいしい=プロの料理人が買い付けに行く場所

という図式が、メディアによって印象付けられてきたからです。

東京都営という「公共物」を利用しながらも、わずか90年足らずの歴史の中で育まれた「市場ブランド」は最大限に活かしたい。一種のエゴとも見て取れる現象が、市場の関係者内の心の内側に渦巻いているのが現状です。

そもそも、市場の目的とは「利益を上げること」

市場が市場として成立するために絶対的に必要な必要条件とは「利益を上げること」に他なりません。

しかし市場の仲卸600社たちの多くには、常連さんがついています。飲食店やスーパーの常連さんたちとしても、「築地で仕入れている」行動自体が、大きな付加価値になります。

というのも、先ほども申しましたように「築地」=新鮮、おいしいという感覚が、日本人の脳裏に染み込んでいるから。

そして、飲食店側としても、これは自己満足的要素もありますが、一見頑固そうな江戸っ子仲卸と仲睦まじく商取引ができることに、一種の恍惚(カタルシス)を覚えている場合が多い。

常連によって、売上は安定しており、現状を変える必要はない...。

市場の人間たちというのは、基本的にはこのような「保守的」な人々が多いのです。

そんな中で、築地市場の鮮魚店組合の理事長が怒りをあらわにしました。

「移転するしないではなく、いかに魚をもっとたくさん売るか。そのことを議論すべきだ」

まさに金言、商売人たちの集合体である「市場」が進むべき道を、非常に端的に表現していますね。

そう、市場では「築地ブランドへの過度のこだわり」と、「常連に守られた商売システムによる、商売への意欲薄と保守化」の2本立てで、移転をめぐったあれこれの紛争が巻き起こっているのが現状なのです。

 

この問題はどのように収束するのか...

移転先の豊洲は、仮に営業が実施されずとも毎月数百万円のメンテナンス料がかかると言われています。

仲卸業者にとっても、「なんで今までお江戸の中心中央区に居たのが、江東区まで行かなきゃなんねーんだよ!」という気持ちなのかもしれません。

600以上の仲卸業者たちは、それぞれが社長。そうすれば、エゴとエゴの対立になります。仲卸業者を一手にまとめる業者協同組合の方々は、本当に骨が折れる毎日だといいます。

しかし移転反対派も賛成派も、まずは「収益を維持、あるいは上げる」努力をするべきではないでしょうか。

老舗企業で一定の収入が確保されている...。いつ築地市場に代わるビッグフードマーケットが誕生するやらもわからない。

最近では築地の魚より店頭で安く販売しているスーパーも都内ではちらほら。

市場も、いつまでも「ブランド価値」だけで無条件に客寄せができる時代ではなくなってきたのです。

 

 

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